このページは,立教大学 経済学部 政治経済学2の2014年年度の講義内容について,メール等で提出された質問への回答のページです。
質問の引用に際しては,表現を変えたり,省略したりすることがあります。
回答は,一般論を述べているものではなく,あくまでも講義内容を前提したものです。つまり,講義を聞いているということを前提にして,論点をはしょったりしています。
そのため労働→社会→所有という流れであっているのか
合っています。「所有によって労働は媒介される(まとめ)」のスライドをご覧下さい。以下のように書かれている通りです。
順序に矛盾があると思われる。
矛盾していません。例えば,板を削るという労働を考えてみます。ナイフで板を削るところから出発してみましょう。やがてはナイフでは不便なのでナイフを台にくっつけて,カンナという新しい道具が生まれるでしょう。この場合に,板を削るという労働がカンナを生み出したのです。もちろん,決して,カンナが,板を削るという労働を生み出したのではありません。そして:
──というわけです。
『1. 所有の基礎理論』でも強調しましたが,現実の社会は諸要因の相互的関連の世界,諸契機の相互的依存の世界なのです。それにもかかわらず,社会は質的に発展します。ですから,この相互的関連・相互的依存の世界の中から,発展を生み出す原因はどこなのか,確定する必要があるのです。つまり,現実の社会では,労働が所有を前提し,所有が労働を前提しています。この相互的関連・相互的依存の中から,この講義は,労働こそが原因であり,原動力であると考えるわけです。
この点については,『2014年09月30日の講義内容についての質問への回答』の「17. 労働・所有・社会の3つは互いに関連し合っているのか,それとも労働→社会→所有というように関連しているのか?」をも参照してください。