1. 位置付け

この講義でのリアクションペーパーとしては,大きく分けて以下の2つを想定しています:

このように,リアクションペーパーは,あくまでもその回の講義をきちんと聴いていたということを前提しています。もちろん,以上の2つに当てはまらないようなものであっても,その回の講義に関連しているものであれば,なんでも受け付けます。

この講義でのリアクションペーパーの位置付けはあくまでもオプショナルなものです。すなわち,:


2. 採点基準

採点基準と言えるほどのものではないのですが,教員から見て,鋭い,あるいは痛い点をついてるものには高い点を与えます。例えば:

期末試験の場合には,一応の採点基準を出して,それに沿って採点しています。こういう形で,同じ答案について異なる点が付くような不合理をできるだけ減らしています。

これに対して,正直に言うと,上で見た通り,リアクションペーパーの採点は,かなり教員の主観の余地が大きいと思います。主観の余地が大きい以上,学生側では対策するのが困難であるような,運不運の余地も大きくなります。きちんと講義を聴いて,みっしりと文字で埋めているようなものでも1点しか採れないかもしれません。逆に,あまり講義をきちんと聴いていなかったっぽい,2行程度のものでも,それが,「確かに私が説明不足だったな」と反省した内容についての質問だった場合,私が気付かなかった講義進行上の問題をついた意見だった場合などには,私はそれに3点を付けるかもしれません。

ともあれ,ちゃんと講義を聴いて,講義に即したレスポンスを還していれば,確実に1点以上は採れます。そういうわけで,以下では,1点も採れないようなレスポンスについて説明します。

3. 点数を与えることができないケース

3.1 代理提出

2013年度政治経済学1において,リアクションペーパーの代理提出(本人は出席しておらず,代わりの者が出席して提出するということ)が一件(この一件に付き計3回分),発覚しました。定期試験などで代理受験があった場合には,当然に大学に報告するべきところです。また,出席必要回数を定めて出席を取る場合に代返があった場合にも,そうするべきかもしれません。しかし,2013年度政治経済学1では,以下の点を考慮に入れて,この講義内で処理することにしました。(証拠固めと大学のプライバシーポリシー関連の対応とのために,教務部と法人の担当者との協力を仰ぎましが,しかし,この講義内で私が処理して完了し,大学レベルでの処分にならないよう,両部門の担当者に了承と言質とを取っています)。

  • リアクションペーパーの得点自体,シラバスに書かれている正規の平常点ではなく,あくまでもボーナス点である。

  • リアクションペーパーの得点は満点が3点と少ない。

  • リアクションペーパーの提出は任意である。しかも,この講義では出席を取っているわけではないし,出席必要回数を定めているわけでもない。それ故に,出席必要回数を定めて出席を取る場合の代返とは事情が異なる。

そこで,代理提出者に注意・警告した上で,代理提出されたリアクションペーパー3枚は全て無効にしました。もちろん,公平性を担保するために,2013年度政治経済学1の講義内では,今後リアクションペーパーの代理提出が発覚した場合には,同じ事案(つまりリアクションペーパーの代理提出)に対しては同じ処分を下すことにしました。

ただし,現在では,以下のように考え直しています。──リアクションペーパーも成績評価のための資料であるということには変わりありません。その限りでは,質的には,代理提出は替え玉受験と同じことです。2013年度政治経済学1は上記の処分で留めましたが,今後は大学側への通告を含めて,もう少し厳しい処分をくだすべきなのかもしれません。

ともあれ,明らかに不正行為であることは間違いないので,処分の軽重に関わりなく,リアクションペーパーの代理提出は行わないようにしてください。

3.2 その回の講義とは無関係なもの

リアクションペーパーの中には,明らかに講義を聴かずに,スライド配布用紙だけを見て書いたものがあります。「1. 位置付け」で既に述べたように,あくまでもその回の講義を聴いていた(その回の講義に関したことを書く)というのがリアクションペーパーの前提ですから,明らかに講義を聴いていないもの,その回の講義とは無関係なものについては,0点を付けます。


  1. (注1)ただし,実際の成績評価においては,単純な絶対評価ではなく,絶対評価を基本としながらも例外的に(とは言っても毎回ですが)相対評価の基準をも入れています。相対評価の基準になるのは,このボーナス点を除いた点数ではなく,このボーナス点を含めた点数なので,実際には,学生側の感覚では,ボーナス点という意識は少ないかもしれません。